軟骨のサプリメントについて


「軟骨を強くするサプリメントを飲んで効果があるのか?」とよく尋ねられます。

つい先日も患者さんに訊かれました。今は色々な商品があるようですが”コンドロイチン”や”グルコサミン”という、要するに”コラーゲン”を含んだサプリメントを飲むと、摂取したコラーゲンが材料になって磨り減った軟骨を再生してくれる、と思われているようです。

しかしながら生理学的に考えると残念ながらこれらのサプリメントに効果があるとは言えません。

まず磨り減ってしまった軟骨は今の医学では再生できないとされています。

確かにコラーゲンは軟骨の素材ではありますがそれを摂取したからといって軟骨になる事はありません。

そしてそもそも、コラーゲンを摂取したからといって口に入れたものがそのまま人間の体の中でコラーゲンになる訳ではありません。

他のタンパク質と同様に、コラーゲンは消化吸収の過程でアミノ酸に分解されてから体内に取り込まれます。

この時点で口から摂取したコラーゲンは跡形も残っていません。

人間は取り込んだアミノ酸を体内で合成する事で必要なコラーゲンを作っています。

なので肉を食べようと豆腐を食べようとコラーゲンのサプリを摂ろうと、吸収される時点でどれもアミノ酸にまで分解されてしまうので全て同じ事です。


それでもサプリメントが効いてるような気がする、という方が多いのも事実です。

しかしそれはプラセーボかもしくは他の理由で関節への負担が減少している為ではないかと思います。

関節の痛みの緩和には適切な治療とリハビリが一番効果的です。

関節の変形について


今回は関節の変形についてお話しします。
一般に”変形性関節症”と呼ばれる症状です。

変形性関節症とは?


この症状はよく年配の人に見かけますが、軟骨がすり減ってしまって関節の形が変わってしまう症状のことです。

特に体重がかかる膝や股関節に変形が起きやすいのが特徴です。

O脚で歩いている年配の方をイメージするとわかりやすいかもしれません。

その場合はおそらく膝の変形性関節症を発症されているのではないかと考えられます。

場合によっては手術の適応になりますが、その前にできることがたくさんあります。

関節の構造


関節は骨と骨の継ぎ目です。

体を動かすときにはこの部分が動くわけですが、スムーズに体を動かすためにたくさんの組織が入り組んで形作られています。

軟骨も関節を構成する組織の一部になります。

軟骨は向き合った骨同士の表面にそれぞれ存在して、衝撃を吸収するクッションとして働いたり、ツルツルの表面を利用して骨同士を滑らかに動かす役割を担っています。

※関節の仕組みについてはこちらをご覧ください

軟骨の性質


このように体を動かす時に重要な働きをするのが軟骨です。

関節があるところには必ず軟骨があります。

しかし残念ながら軟骨は今の医学では一度損傷すると再生は不可能だと考えられています。

もちろんこれから再生医療が発展してくると事情が変わってくる可能性もありますが、今の段階では修復しないと考えられます。

変形性関節症ではこの再生しない軟骨がすり減ってしまっているわけです。

なので手術によって関節ごと人工のものに取り替えるのが主な治療法となります。

変形性関節症の治療


しかしながら実際には手術を選択する前にまだできることがあります。

例えば年齢を重ねてから膝の痛みが出て、病院でレントゲンを撮ると「膝の軟骨がすり減っていますね」とおそらくほぼ全員が言われると思いますが、過剰に心配する必要もありません。

それは軟骨がすり減るのは白髪が出てくるのと同じく、歳を重ねれば誰にでも起きる自然現象だからです。

軟骨の減っている程度も人によって様々ですし、軟骨が減っているから関節が痛むと考えるのも短絡的な話です。

もちろん軟骨の損傷が激しく、日常生活に著しく支障をきたす場合は手術が避けられないケースもありますが、多くの場合そこまでの病態に至っていないのではないかと思います。

臨床経験上、関節の変形に起因すると考えられる痛みのほとんどは筋肉や靭帯、関節の動きを調整することでコントロールすることができると思います。

なので実際には変形してる軟骨自体から痛みが出ている訳ではないケースがたくさんある訳です。

こうした場合、具体的には曲げ伸ばしや回旋など本来の関節の動きを取り戻せるように誘導しながら手技を施したり、関節の中の水を循環させることで動きやすくしたり、軟骨がすり減った箇所に体重が乗らないように体のバランスを調整したりといったアプローチを行います。

これらの手技で多くの場合は痛みを和らげることができます。

加えてリハビリをして関節周りの筋肉を鍛えたり、患部に過剰な負担がかからないようにすることで、問題なく日常生活を送れるようになることがほとんどです。

股関節や膝の痛みは動く気力を削いでしまうため、著しく日常生活が不便になりますし、体力も低下してしまいます。

関節の痛みで悩まれている方や手術を躊躇われている方は是非、適切な手技療法やリハビリを受けてみてください。

椎間板の構造

最近椎間板ヘルニアに関する質問をお受けする事が多いので、関連した内容を書いておこうと思います。

椎間板ヘルニアの簡単な説明は
こちらをご覧ください。

今回は椎間板についての話です。

椎間板の構造

椎間板とは背骨と背骨の間にあるクッション状の組織のことです。水分に富み、衝撃を吸収したり、背骨をスムーズに動かす役割りがあります。

構造を少し詳しく見ていきましょう。

椎間板は二種類の組織で構成されています。

中央にあるゼリー状の物質のかたまりを”髄核(ズイカク)“、その周りを取り囲む組織を”線維輪(センイリン)”と呼びます。

尚、髄核を支点とする事で、背骨は傾いたり捻ったり色々な方向に動く事ができます。


背が低くなる理由

ちなみに年齢を重ねると身長が低くなりますが、その理由の一つとして椎間板の水分が少なくなる事が挙げられます。

水分が少なくなると椎間板の高さは低くなります。

椎間板は背骨全体で23個ありますので、仮に一箇所で一ミリずつ高さが低くなるとしたら2.3cm背が縮む事になりますね。ただし加齢と共に水分量が減るのは自然の摂理ですので、さほど気にする必要はありません。

椎間板の中の水分量は1日の中でも変化していて、横になると増えますが、立ったり座ったりで重力を受けると少なくなります。

なので起床してすぐの時間帯が1日で一番身長が高く、逆に寝る前が一番低くなっています。

人によっては朝と夜で2cmほど背の高さが変わるようですよ。

椎間板の損傷を予防するには

立ったり座ったりと日常生活を普通に送るだけでも大きなストレスがかかっています。

咳やクシャミをすると通常の1.5倍、中腰で物を持ち上げると通常の2倍の負担が椎間板にかかると考えられています。

椎間板は、こうした大きな力を日常的に受けながらも、しっかりと体を支える働きを担っています。


損傷を予防するには日頃から椎間板に負担をかけにように意識して過ごすことが大切です。

中腰で物を抱えたり、前かがみで座り続けたりすることは知らず知らずのうちに腰の椎間板に大きな負担をかけるので控えるようにしてください。

またスマホやパソコンの画面を長時間見ることも首の椎間板に大きなストレスをかけています。

日常の何気ない動作の繰り返しがヘルニアなど椎間板の障害を招いてしまいますので、できるだけ良い姿勢で過ごすように心がけるようにしてください。

姿勢と背骨の関係

良い姿勢とは?

“姿勢を正す”というと、背骨をまっすぐにするイメージですが実は正反対です。

適度に背骨が曲がっているのが”良い姿勢“なのです。

背骨の構造

背骨は合計24個あり、これが綺麗に並ぶ事で体を支えています。

首には7個、背中には12個、腰には5個の背骨があります。

この3ヶ所それぞれで、背骨が適度なカーブを作って並んでいるのが正常な状態です。

具体的には首と腰では前側を頂点としたカーブを、背中では後ろ側を頂点としたカーブを描きます。

このカーブがきれいに描けていると、上下の背骨同士がきっちりと噛み合わさって関節が安定します。

これが一番体に負担の少ない姿勢です。


緩やかにカーブする事で、上下の背骨がしっかりと連結し、関節が安定するように設計されているからです。

背骨は適度に曲がっている方が強い

曲がった背骨は一見すると不自然に感じるかもしれませんが、実は背骨にカーブがある方が真っ直ぐに並んでいるよりも姿勢を保つ力は強くなります。

具体的に言うと、首、背中、腰の3ヶ所でカーブした背骨は、力学上では真っ直ぐに並んだ状態の約10倍の強度があるそうです。

背骨がまっすぐになると

一方で背骨が真っ直ぐになってしまうと、上下の背骨の間での連結が弱くなり安定性が失われてしまいます。

そうなると体を支えるために、背骨の代わりに筋肉が働くようになります。

姿勢を支え続ける事で、これらの筋肉はやがて疲労して硬くなってしまい肩こりや腰痛の原因にもなります。

腰を丸めたり、頭を前に突き出した姿勢は、背骨の自然なカーブが無くなった時に見られる典型的な”悪い姿勢“です。

この状態だと腰や首の筋肉に大きな負担がかかり、“椎間板ヘルニア”や“変形性脊椎症”といった厄介な症状を引き起こす原因にもなりますので、心当たりの方は気をつけてください。

時折腰を反らしたり、顎を引いたりを習慣づけるだけでもある程度の効果があると思います。

効果的に筋肉をつけるには

筋力トレーニングは毎日した方がいいのか?

これはとてもよく訊かれる質問ですね。

毎日した方がいいのでしょうか?

結論を最初に述べますと、強度とやり方、目的にもよりますが、

普通に一般の方が”筋肉をつけたい”、”筋力を上げたい”という場合は

基本的には毎日しない方が良いです。

少し専門的にスポーツをされた経験がある方ならご存知かもしれませんが、筋肉は“超回復”という仕組みによって強くなるからです。

筋トレをしたらどうなる?

重たいものを持ったり自分の体重を利用して体に負荷をかける”筋力トレーニング(筋トレ)”をした後は一時的に筋力が弱くなります。

例えば、腕立て伏せを繰り返してすると、回数を重ねるに連れて段々と出来なくなってきてしまいます。

その主な理由は、実は”筋トレをすると筋肉が壊れるから”なのです。

筋トレをした直後は力が入らなくなりますが、それは筋肉が壊れているからです。

超回復とは?

筋トレのように重たい物を繰り返し持ち上げる動作自体は筋肉を壊してしまいます。

壊れたままだともちろんダメなのですが、人間の体には傷んだ箇所を修復するメカニズムが備わっていますので、壊れてしまった筋肉も速やかに修復されます。

損傷度合いと場所にもよりますが、一般的には48時間すると修復されると言われています。

そして筋肉には、

“傷める以前より少し強くなって修復する”

性質があります。


これを“超回復”と呼びます。

要するに

『負荷をかけて一時的に筋肉を壊すと、約48時間後に壊れた筋肉は以前より少し強くなって修復する』という訳です。

この仕組みをしっかり利用して行うのが効果的な筋トレのやり方です。

なので毎日するよりも、超回復のサイクルが終了する48時間後、つまり二日に一回した方が筋トレの効果は高くなります。

プロテインを摂る意味

筋トレとセットでプロテインを摂取する人も多いですね。

「プロテインを飲めば筋肉がつく」という誤解も多いようですが、飲んだだけでは筋肉はつきません。

“プロテイン”という言葉を日本語に訳すと”タンパク質”となります。

要するにあの粉は、基本的にはタンパク質が粉末状になったものです。

何ら特別なものではありません。

前述した”超回復”の過程で、壊れた筋肉を修復する時の材料となるのが”タンパク質”なのです。

なので筋トレをして筋肉が壊れた時に、それを修復する為にタンパク質がたくさん必要になる訳です。

なので、筋トレとプロテインがセットとして認識されている訳です。

ただし本来は食事からタンパク質を摂取するのが理想です。

それだけで十分に摂取出来ない場合の補助食品としてプロテインを利用するのが本来の用途ですので、本末転倒にならないように気をつけてください。

なので、効果的に筋肉をつけるには

1.二日に一回の筋トレをする
(※特に一般の方は疲労なども考慮すると、もう少し減らして週二回程度が良いと思います)

2.筋トレをしたらタンパク質をしっかりと補給する(別にプロテインでなくても良い)

この二つのポイントを理解する事が大切です。

意識してトレーニングに取り組んでみてください。

関節の仕組み

骨と骨のつなぎ目を”関節”と呼びます。

関節があるおかげでヒトは体を動かすことができる訳ですね。

スムーズに体を動かすために関節には色々な仕組みが備わっています。

関節の軟骨

関節で向き合う骨と骨は、お互いが”軟骨”という組織で覆われています。

軟骨は焼き鳥とか唐揚げでおなじみのあんな感じのコリコリでツルツルした組織です。

これがあるおかげで骨同士が直接ぶつかることなくクッションで保護された状態になります。

また軟骨の表面はとてもすべりやすいので関節を滑らかに動かすことができるようになっています。

関節の中の水

関節の中で向き合った骨同士は関節包という袋で周りを包まれていて、この袋の中は”滑液”(かつえき)という水で満たされています。

この滑液は潤滑油のような働きをしていて関節が滑らかに動くことを助けています。

滑液は関節包の内側にある滑膜(かつまく)というところから出てきます。

滑液には栄養素も含まれていて、軟骨はこれを吸収することで栄養をもらっています。

関節の水が古くなると

体を動かさないでいると滑液の循環が悪くなります。

動き出した時に関節が痛む場合は滑液の循環不良が原因として考えられます。

溜まった滑液が古くなりドロドロしてきてスムーズな関節の動きを妨げるようになるからです。

また、新しい滑液が出てこないと軟骨に栄養を届けられなくなってしまいますので、軟骨が栄養失調に陥ります。

こうした要因で関節痛等、様々な不具合を招きます。

関節の循環を良くするには

こうした不具合を防ぐためにはしっかりと体を動かすことが必要です。

重力を受けながら体を動かすことで関節に刺激が入り、古くなった滑液は吸収され、新しい滑液が分泌されます。

そうすると滑液がなめらかになって、滑りが良くなります。

また、軟骨も新鮮な滑液を介して栄養を受け取ることができます。

ですので適度に体を動かして滑液の循環を良くすることが関節を健康に保つポイントです。

歩くだけでも効果的ですので、是非ご自身の体に適した強度の運動を日常に取り入れてみてください。

筋肉をマッサージする時のコツ

マッサージは最も手軽にできるコンディショニングの一つです。

色々な種類のマッサージがありますが、最も一般的なものは筋肉にアプローチをする方法ですね。

今回は筋肉をマッサージする際に知っておきたいポイントを紹介していきたいと思います。

少し意識するだけで効果を高めることができますので是非知っておいて下さい。

マッサージの効果を最大限に引き出すためには筋肉の特徴を理解しておくのが近道ですので、筋肉の特徴とマッサージのポイントを順に確認していきましょう。

筋肉の役割は?


まず筋肉の役割をみてみましょう。

体を動かすことが筋肉の仕事なのはみなさんご存知かと思いますが、実は他にも様々な役割を担っています。

・体温を上げる

人間はある程度の体温を保てないと生命活動を維持できませんが、体の熱の約60%を生み出しているのは筋肉です。寒い時に震えるのは筋肉が熱を生み出すための動作です。

・静脈やリンパの流れを促す

筋肉が縮んだり緩んだりすることで静脈やリンパ管を圧迫し、内部の血液やリンパ液を押し流す働きをします。しっかり体を動かす事が浮腫みの解消にも繋がります。

・ホルモンを分泌する

筋肉を使うとマイオカインと呼ばれるホルモン群が分泌されます。これは血糖値を下げたり、脂肪を分解したり、炎症反応を鎮めたりと様々な良い影響を体にもたらします。

筋肉が疲労すると

使いすぎなどの原因で筋肉が疲労すると、硬くなってしまいます。

筋肉が硬くなると上記の働きをしっかりと行うことができなくなります。

硬くなると血流も悪くなるので、筋肉の中に蓄積した疲労物質がずっと残ってしまいます。

また、新鮮な酸素や栄養を運んでこれなくなってしまいます。

そのため益々硬い状態が続いてしまうという悪循環に陥ります。

通常の筋肉の状態であれば神経や血管の働きを妨げない
筋肉が疲労して硬くなってしまうと神経や血管を圧迫してしまい働きの邪魔をする様になる

筋肉へのマッサージの効果

筋肉に適切に刺激を入れることで、疲労物質を取り除き、血流を改善して筋肉の状態を整えるのがマッサージの主な効果です。

効果的にマッサージをするために次に筋肉の構造を確認していきましょう。

筋肉の構造

筋肉は関節をまたいで骨から骨についています。

筋肉の端は”腱”と呼ばれる硬いひもの様な組織になっています。

筋肉の真ん中は”筋腹”(きんぷく)と呼ばれこの部分の長さが変わることで、関節を動かすことができる仕組みになっています。

真ん中が筋腹で両端が腱です。

この様に筋肉は関節をまたいで異なる骨にそれぞれ”始まりと終わり”があります。

マッサージのポイント


こうした構造をしていますので、筋肉全体にしっかりとアプローチをするためには筋肉の始まりと終わりを意識してマッサージする必要があります。

終わりから始まり、もしくはその逆でも良いのですが、筋肉全体を捉えて刺激を入れるのがマッサージで高い効果を出すポイントの一つです。

筋肉の途中でマッサージを終わると十分な効果が得られません。

もう一つポイントは、筋肉と腱が入れ替わる辺りにしっかりと刺激を入れるということです。

実はこの部分には筋肉の長さを調整するセンサーがたくさんあります。

このセンサーに刺激を入れると筋肉を和らげる指令を出してくれるので、効果的に柔らかくすることができます。

一般的な資料では腱の部分は白く、筋肉の部分はピンク色や茶色で描かれていますので、ネットで検索したり、簡単な解剖学の本を見たりしながらこの部分を意識してマッサージをしてみて下さい。

同じ箇所を数秒間続けて軽く圧迫するのがやりやすいと思います。

もっと学びたい方は

一般の方向けのマッサージの講習会を開催していますのでお問い合わせ頂くか、Udemyからリリースされている下記の動画講座、あるいは電子書籍をご参照ください。

家庭で出来るマッサージ基礎講座

腰痛の意外な原因


腰痛に悩まされている方は本当に多いですね。

ヘルニアや脊柱管狭窄症などをはじめとして、腰が痛くなる原因は様々ですが、実際に原因が特定できる腰痛は全体の15%程度にすぎないと言われています。

要するに腰痛の多くは実は原因不明なのです。

この原因不明の腰痛を研究していくと、痛みを引き起こす原因としてもっとも多いのが『恐怖心』だということが最近わかってきました。

腰痛になっても基本的にはしばらくしたら腰周りの筋肉や関節は良くなります。

筋肉や関節の損傷であれば長くとも3ヶ月もあれば普通は回復します。

本来であればそれとともに痛みもなくなるはずなのですが、「動いたらまた痛くなるんじゃないか?」という恐怖心が頑固に残ってしまうと、実際には腰の周りには異常がないにも関わらず、痛みだけが残ってしまう事実が確認されています。

痛みへの恐怖心が長期間続くと、これがストレスになり、痛みをコントロールする脳の一部分を衰えさせることがわかっています。

こうなると痛みを感知する神経の興奮を抑えることができなくなり、実際には問題がないにも関わらず痛みを引き起こしてしまいます。

”腰が傷んでいる”と脳が勘違いしてしまう訳です。

このケースの腰痛は”心配しすぎ”が原因ですので、”自分が思っているより動けること”を実際に自分自身で確認することが一番の治療法です。

実際に動いてみて、動ける事実を体感してみると恐怖心が和らぎ徐々に動ける範囲も広がってきます。

そのためには安静は禁物です(以前は腰痛はまず安静にするべきだと考えられていましたが、現在では長期間の安静は症状を悪化させるので二日間以上の安静は禁止するべきだと考えられています)。

まず体をできる範囲で動かす様にします。


ある程度動ける様になってきたら腰に手を当てて3秒間ほど反らしてみてください(写真参照)
(※この動きは”これだけ体操”という名前で広く紹介されていますので、詳しく知りたい方は検索してみてください)


具体的には”腰を反らせる”というより”骨盤を前に送り出す”イメージの方が良いかもしれません。

腰痛が怖いと腰をかばって前かがみで動く様になってしまいます。

腰を反る動きが怖いから無意識にそうした姿勢をとってしまう訳です。

でも実際には腰を反らしても大丈夫だということを体に確認させると自信が戻ってきて、少しずつ反らせる範囲が広がってきます(※腰を反らした時に脚に痺れがでる場合、腰に鋭い痛みが走る場合、反らした腰を元に戻しても10秒以上痛みが続く場合は別に原因がある可能性が高いのでむやみに腰を反らしてはいけません。その際はしっかりと医療機関で診察を受けてください)。

こうして”実際に動ける”という自信を取り戻すにつれて、腰痛も軽減してきます。

もちろん医療機関で処置を受けるべきケースの腰痛もありますが、こうした”恐怖心による腰痛”というパターンもたくさんあります。

”病院に行くほどでもないけど腰が慢性的に気になる”という方も腰を反らしてみる動きを是非試してみてください。


骨と筋肉から分泌される”若返りホルモン”


体を動かす事によって骨や筋肉からホルモンが分泌されているという事実が最近わかってきました。

今回はこの話を簡単に紹介していきたいと思います。

ホルモンとは?

まず『ホルモンとは何か?』を確認していきましょう。

ホルモンとは身体の中で作られる化学物質のことで、血液に乗って身体中を駆け巡り、臓器に指令を伝える役割を担っています。

例えば血糖値が高くなると体が異常を察知して、血糖値を下げる指令を出すホルモンを体中に送ります。

その指令を各臓器が受け取って血圧を下げるように働く事で実際に血糖値が下がります。

このように身体が正常に働くために必要な指令を体中に届けるのがホルモンの役割です。

ホルモンはどこから出る?

ホルモンを分泌する器官として有名なところだと甲状腺や脳下垂体、副腎皮質などですね。

ところが最近は体を動かすことで骨や筋肉からもホルモンが出ている事実がわかってきました。

しかも素晴らしい効果があるようです。

骨、筋肉から出るホルモンの働きは?

ではこれらのホルモンの具体的な効果を見ていきましょう。

まず筋肉から出るホルモンです。

これは色々な種類がありますが、まとめて”マイオカイン”と呼ばれます。

また骨からは”オステオポンチン”、”オステオカルシン”と呼ばれるホルモンが分泌されています。

これら筋肉と骨から分泌されるホルモンは俗に”若返りホルモン”とも呼ばれ下記の働きがあります。

・血糖値を下げる
・脂肪を分解する
・認知症を予防する
・記憶力が高まる
・免疫異常を高める
・動脈硬化を予防する
・肝機能を高める
etc

この研究はまだ始まったばかりで、まだ不明な点も多いようですが現時点でも多くの効果が確認されています。

もちろん過度な運動は体を壊してしまいかねないのでいけませんが、適度に体を動かして骨や筋肉を刺激すると”若返りホルモン”が分泌されて素晴らしい効果を得ることもできます。

是非体を動かす機会を作ってみてください。