骨のはなし

⑴骨の役割

 骨の役割にはどのようなものがあるでしょうか?

・体を支える

 まず一番イメージしやすいのは体を支えている、ということだと思います。

 もしも骨がないと、とても立ったり歩いたりは出来ません。骨があるおかげでしっかりと体を動かすことが出来ます。

・臓器を守る

 肋骨や背骨、頭蓋骨などの骨によって内臓や脳が保護され、しっかりと働くことが出来ます。

・血を作る

 骨髄という骨の芯にある組織では血液が作られています。

・ミネラルを貯める

 体内のカルシウムの99%は骨に貯蔵されています。ちなみにカルシウムは筋肉を動かしたり、血液を固めたり、人間の生命活動に必要不可欠なミネラルです。

・ホルモンを分泌する

 骨にはホルモンを分泌する働きがあることも最近の研究でわかってきました。骨に刺激を入れることで肥満を抑えたり、免疫力を高めたりするホルモンが分泌されます。

 骨にはこうした様々な働きが備わっています。

⑵骨の構造

 骨はただのカルシウムの塊ではありません。

 一般にイメージされる硬い部分は正式には”緻密骨(質)”と呼ばれる箇所です。

 この部分にはカルシウムを中心としたミネラルが詰まっていて硬くなっています。

 しかしながら、この中にはハバース管やフォルクマン管と呼ばれる、血管や神経の通り道もあります。

 また中央の髄腔には血液成分を作る骨髄と呼ばれる場所もあります。

 そして成長期の子供の場合、骨の両端近くには”骨端軟骨”と呼ばれる箇所があり、この部分の軟骨が骨に変わることで骨が長くなっていきます。ここは”成長線”とも呼ばれます。

⑶骨は常に生まれ変わっている

 骨というと変化がない組織のように思われがちですが、実は細胞レベルでは活発に動いていて、常に新しい組織と古い組織が入れ替わっています。

 新しい骨を作る細胞を骨芽細胞(こつがさいぼう)、古い骨を壊すものを破骨細胞(はこつさいぼう)と言います。

 この二つの細胞が同じペースで働くと一見して変化が起きていないように見える訳です。

 しかしながら両者のスピードに差が出ると問題が生じます。代表的なものが骨芽細胞の働きが鈍くなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。

 これは骨の密度が低下してしまい、脆くなってしまう症状です。特に閉経後の女性はホルモンバランスの変化の影響で発症しやすいと言われています。

 骨が脆くなると、ちょっとした事で骨折をしたり、日常生活にとても不自由な影響を与える可能性があります。こうした事態を予防するには運動をすることが一番良いと言われています。運動して骨に刺激を入れると、骨の密度が高まるからです。

 ただし病的に骨密度が低い場合は、運動を制限し薬の服用が必要になる場合もありますので、医師の指示を仰ぐようにしてください。

筋肉と腱


1.筋肉の構造

体を動かす筋肉は、真ん中が縮んだり緩んだりできる構造になっていてここを”筋腹(きんぷく)”と呼びます。

おそらく多くの方がイメージで捉えている筋肉はこの部分が相当するのではないかと思います。

中央にある筋腹の両端は、硬い紐状の組織になっていてこれが骨に付いています。

ここは一般によく”スジ”と呼ばれますけれども、これは医学用語ではありません。

正確には“腱”と呼びます。

そして筋肉の始まりと終わりは、必ず関節をまたいでそれぞれ別々の骨についているというのが筋肉の基本的な構造になります。


2.筋肉の収縮と弛緩

続いてこれらがどのようにして体を動かしているのかというのを見ていきましょう。

前述した通り、筋肉は骨から骨についていますけども、この時必ず骨の継ぎ目を超えて別の骨についています。

ですので、筋腹の部分が縮むとこの両端の腱が中央に引っ張られる、骨の継ぎ目である関節が動くわけです。

力こぶをイメージして頂くとわかりやすいかと思いますが、筋腹が中央に収縮していくと筋肉の盛り上がりができます。

この動きによって肘が曲がるわけです。筋腹が縮むことで両端の腱が真ん中に引き寄せられて結果的に骨を引っ張って関節が動く、という仕組みです。

そして筋肉が緩んだ時にはとこのように筋腹の盛り上がりが消えて通常の長さに戻ります。

肘の部分で見ると力こぶが消えて肘が伸びる状態です。


このように伸び縮みできる”筋腹”と硬い紐状の”腱”によって筋肉は構成されています。

そして筋腹が長さを変えることで、体の各部位、関節が動くことができるわけです。

からだを柔らかくする方法


体を柔らかくするためには大きく分けて二通りのアプローチがあります。

筋肉など体の組織を伸ばして物理的に柔らかくする方法と、神経の特性を利用して柔軟性を高める方法の二つです。

これらの効果を順に見ていきましょう。

⑴物理的にからだを柔らかくする

まずは物理的なアプローチ方法です。

体の組織を伸ばすエクササイズとして代表的なものはストレッチです。

筋肉、筋膜などはコラーゲン繊維を多く含んでいますが、このコラーゲンは引っ張られることにより長さが伸びる性質があります。

ですのでストレッチをするとコラーゲンが伸ばされて体が柔らかくなる訳です。

これはシンプルな方法でイメージしやすいと思います。

⑵神経の働きを使ってからだを柔らかくする

次に神経の働きを使って体を柔らかくする方法です。
これには2種類の方法があります。

1.筋肉の中にあるセンサーをコントロールする

一つは筋肉の中にあるセンサーをコントロールする方法です。

筋肉の中には長さを感知するセンサーがあります。

これは筋肉が伸ばされすぎて切れないように、長さを調整するためのものです。

ストレッチなどをして筋肉を伸ばすと、このセンサーが反応して、筋肉に縮むように指令を送ります。筋肉を柔らかくしようと伸ばしているのに、実際には逆に筋肉は縮まろうとして硬くなってしまうのです。

なぜこうした事が起こるかと言うと、筋肉が引っ張られ続けるとやがては切れてしまうので、そうならないように筋肉自体を固くして伸ばされる力に抵抗して体を守っている訳です。

しかしながら弱い刺激を継続的に与え続けると、このセンサーが徐々に慣れてきて筋肉を硬めようとしなくなってきます。

「このぐらいの引っ張られ度合いなら体が壊れる心配はない」と判断する訳です。

こうなると伸ばしていても余裕あるように感じてきますので、もう少し負荷をかけて更に伸ばすようにします。

そうすることで徐々に柔軟性が高まってきます。

この時ゆっくりと呼吸をしながら時間をかけて(少なくとも30秒は)体を伸ばしていくのがポイントになります。

(※逆にセンサーに強い刺激が入るだけの短時間の強い負荷や、反動をつけてのストレッチは柔軟性の向上にはあまり意味がありません。しかしながらスポーツをする前に筋肉を刺激したり別の目的として用いられることがよくあります)

2.反対の働きをする筋肉に刺激を入れる

もう一つは反対の働きをする筋肉に刺激を入れる方法です。

膝を曲げる筋肉と伸ばす筋肉、肘を曲げる筋肉と伸ばす筋肉といった具合に、筋肉には拮抗筋(きっこうきん)と呼ばれる、反対の働きをする筋肉があります。

これらは“片側の筋肉に力を入れて硬くした時には反対の働きをする筋肉は柔らかくなる”という特性を持っています。

ですので膝を曲げる筋肉が硬くなると伸ばす筋肉柔らかくなり、逆に膝を伸ばす筋肉硬くなると曲げる筋肉は柔らかくなります。

この反応を柔らかくしたい箇所に利用する事が出来る訳です。

例えば太ももの裏側やふくらはぎを柔らかくしたい時には、太もも前やスネの前に力を入れれば良い訳です。

具体的には片脚を伸ばして座った状態から伸ばした脚の膝の裏側を床に押し付けるように太ももの前側に力を入れてみます。

同時につま先を自分に近づけるようにスネの前にも力をいれます。

この動きを3秒程度してから伸ばした脚に向けて身体を倒すと、力をいれる前よりも簡単に前屈することが出来ます。

力を入れる前と後でどのくらい動きが変わるか試してみてください。

こうしたメカニズムを理解しておくとからだを柔らかくする際の助けになります。

無理のないように取り組んでみてください。