腱鞘炎とは?


⑴腱と腱鞘

 腱鞘炎という言葉は耳にされたことがあると思います。

 手首や指の付け根などによく起こる、炎症性の疾患です。

 腱鞘炎になった時、具体的にどのようなことが起きているかみていきましょう。

 まず腱鞘炎とは、その名のとおり、腱鞘(けんしょう)という組織に炎症が起きた状態のことです。 
 
 腱と腱鞘が紛らわしく混同されがちなのでまずこの点を整理していきます。

1.腱とは

 ”腱”というのは筋肉が骨につく前の硬くなった箇所のことです。

 筋肉は縮んだり緩んだりできる”筋腹(きんぷく)”と、その両端にある硬い紐状の”腱”によって構成されています。

 腱自体は伸び縮みは出来ない硬い組織になっていて、筋腹の力を骨に伝える役割を担っています。

2.腱鞘とは?

 一方で腱鞘とは、腱の一部分を覆う鞘(さや)状の組織のことです。

 手首や指など、たくさんの腱が集まる部分に多くみられ、腱を包み込む構造をしています。

 これは近くの腱が擦れて傷むことを防ぐ役割をしています。

⑵腱鞘炎の原因

 この腱鞘に炎症が起きた状態が腱鞘炎で、腱と腱鞘の間に摩擦が起きたり、共通の腱鞘を通る腱同士の間で摩擦が起きたりすることで発症します。

 摩擦で生じるので熱っぽくなったり、動かした際に強い痛みを生じたりします。

 よく手を使う人に発症しやすいですが、手を使う人すべてに発症する訳ではありません。

 この違いは手の使い方にあります。手に負担のかかる状態で使い過ぎた時に発症します。

ホルモンの作用が原因で発症することもありますが、使い方が悪いケースが大半だと思います。

 具体的には前腕部と親指が一直線になっている状態で、手を使っていると腱鞘炎になる確率が高くなります。

 この場合、特に手首の親指側あたりに痛みが出やすくなります。

 一方で、前腕部と中指が一直線に並んだ状態で手を使っている場合は、腱鞘への負担も少なく、腱鞘炎になりにくいと言えます。

 ですので、腱鞘炎に悩まされている方は、まず腕と指の位置関係に気をつけてみてください。

 治療するセラピストの方は、手の平が小指側に傾いた状態を調整すると効果が期待できると思います。

Pocket