指の関節の変形について

指の第一関節が変形してくるへバーデン結節という疾患があります。

原因はまだよくわからないことも多いようですが、おそらく使いすぎや加齢、ホルモンの影響など色々な要素が重なって発症するのではないかと考えられています。

症状としては第一関節が腫れたり、コブのようなものが出来たり、形が変わってしまったり、痛んだりと色々です。

発症したからといって全ての症状が出るわけではありません。

このへバーデン結節は珍しい疾患ではなく非常によくみられ、女性に多いのも特徴です。

ちなみに第二関節に起きる変形もあり、こちらは”ブシャール結節”と呼ばれますが、へバーデン結節の方が一般的な知名度が高いようです。

この両者は基本的には同じようなメカニズムで発症すると考えて良いと思います。

ではこのような症状になってしまったらどうすれば良いのでしょうか?

処置方法を考えるために、まずはどのようなメカニズムで発症するのか?をみていきましょう。

関節の変形のメカニズム

骨と骨のつなぎ目を関節と呼びます。

この関節の中で向き合う骨同士は、軟骨という組織を介して向き合っています。


年齢を重ねると、この軟骨が減少してくることがあります。

それによって関節の噛み合わせが変わり、外見上も形が変わってしまうこともあります。

へバーデン結節ではこの様な状態になっていると考えられます。

指の使い過ぎによって関節の隙間が狭くなり、軟骨に負担がかかりすぎるため、加齢とともに軟骨がすり減り、関節の変形が進むと考えられます。

筋肉や関節周囲の組織が硬くなることによって、本来スペースがあるはずの骨と骨の距離が近くなってしまうことによって軟骨にストレスがかかり、少しずつ変形してくるのではないかと考えられます。

ホルモンの影響

関節を変形させる要因として他にホルモンの影響も考えられます。

へバーデン結節の発症に関与すると考えられるのはエストロゲンというホルモンです。

これは卵胞ホルモンとも呼ばれ、いわゆる女性ホルモンの一種です。

へバーデン結節は、このエストロゲンの分泌が減少する妊娠中、産後、更年期に発症しやすくなります。

それはエストロゲンには組織の腫れを抑える作用がある為、分泌量が減るタイミングで体の各組織に腫れが生じやすくなるからです。

処置方法

では具体的な処置方法を考えていきましょう。

手軽に出来る処置方法は三つあります。

まず一つ目は氷で冷やす事です。

冷やす事で腫れの原因にもなる熱を取り除くことができます。

また鎮痛効果も期待できます。

この際に出来れば湿布や保冷剤よりも氷を使用してください。

氷水に指をつけるのが最も効果的です。

少なくとも10分程度はしてみてください。

最初は冷たくて痛みますが、徐々に慣れてきます。

二つ目はマッサージやストレッチです。

指を動かす筋肉を柔らかくする事で関節の隙間を広げる事ができます。

ヘバーデン結節の場合、指の動きに関わる筋肉を緩める必要があります。

具体的には前腕部や手の平などへのアプローチになります。

三つ目はテーピングです。

テーピングを痛む関節の上に1周巻きます。

そうする事で圧迫して腫れを抑えると同時に、関節の隙間を広げる効果も期待できます。

この際に伸縮性のあるタイプのものを使用すると、さほど違和感無く過ごせると思います。

ヘバーデン結節でお悩みの方は是非これらの処置を試してみてください。

膝の成長痛の処置方法

成長痛の場合は基本的に筋肉が成長して骨の長さに追いついてくると痛みは和らいできます。

それまでは基本的には安静にするのが一番良いです。

また、少しコツが要りますが、太ももの前の筋肉をストレッチしたり、膝下の痛む箇所をアイシングするのも症状を和らげる効果があります。

どうしてもスポーツを継続しなければいけない場合はテーピングや専用のサポーターなどで対処することもあります。

太ももの前の筋肉はお皿を超えて膝の下の出っ張りについています。

この箇所が上に引っ張られて痛みを生じているので、この牽引力を弱めることで対処します。

具体的には二つ方法があります。

まず一つ目はテーピングでお皿を下に下げるという方法です。

お皿が上に上がらないようにテーピングで動きを制限すると、痛みの出る箇所にかかる牽引力が和らぎます。

これによって症状を緩和させるのが最も手軽にできる方法です。

もう一つは”オスグッドバンド”と呼ばれるサポーターを利用する方法です。

これはお皿の下に圧迫がかかるように出来ている特殊なサポーターで、痛みのでる箇所の上を圧迫し、牽引力のかかる場所をずらすことで痛みを和らげる方法です。

しかしながらあまり無理をしすぎると骨の付着部が引っ張られ続けて変形が残ってしまったり、さらに酷い場合は剥離骨折を起こすこともあり注意が必要ですので、専門家のアドバイスのもと対処していくことをおすすめします。

成長痛について

①骨の伸びるメカニズム


成長期の子供が足の痛みを訴えることがあります。

これは骨が長くなることによって生じていることが多く、”成長痛”と呼ばれます。今回はこの”成長痛”の発症するメカニズムを紹介します。


子供の骨の端の方には”成長線”と呼ばれる箇所があります。

この部分は軟骨で出来ているのですが、成長していくにつれてこの軟骨が骨に変わっていくことで骨が長くなります。

実際のところ個人差が大きいですが、一般的に男の子で18歳、女の子で15歳くらいまで新しい骨ができると言われています。

ちなみに成長期にレントゲンを撮るとこの部分は写らないので、骨の途中に隙間があるように見えます。

なのでこの隙間がある間はまだ背が伸び続けていると考えられます。逆にこの隙間がなくなると骨の成長も終了したと言えます。

②成長痛の起こる仕組み


この骨の成長があまりにも急激に進んだ場合、そばにある筋肉の成長が骨の伸びる速度に追いついていけなくなる事があります。

こうなると筋肉は長くなった骨によって無理矢理引き延ばされることになってしまいます。

その結果、筋肉が骨に付着している箇所が引っ張られてしまいます。ここに痛みが起こるのが成長痛です。

③よくある成長痛

もっともよくあるのが膝のお皿の下の出っ張りに痛みを生じるケースです。

これは”オスグッド病”という名前で知られています。

太ももの前にある大腿四頭筋という大きな筋肉が付着しているのがお皿の下の出っ張りです。

太ももの骨が急に伸びた場合、成長速度についていけない大腿四頭筋が引き延ばされてしまうので、筋肉が骨についているところが引っ張られて痛みを生じてしまいます。

その次に多いのが踵の後ろ側の痛みです。

ここにはアキレス腱を介してふくらはぎの筋肉がついています。

ふくらはぎの骨が急激に成長した場合、筋肉が引っ張られてしまい、付着している踵の後ろ側に痛みを生じる事があります。

④成長痛の処置方法

このようにして痛みが出てくる訳ですが、筋肉が成長して骨の長さに追いついてくると痛みは和らいできます。

それまでは基本的には安静にするのが一番良いです。

痛む箇所をアイシングするのも症状を和らげる効果があります。

どうしてもスポーツを継続しなければいけない場合はテーピングや専用のサポーターなどで対処することもあります。詳しくは御相談下さい。

腱鞘炎とは?


⑴腱と腱鞘

 腱鞘炎という言葉は耳にされたことがあると思います。

 手首や指の付け根などによく起こる、炎症性の疾患です。

 腱鞘炎になった時、具体的にどのようなことが起きているかみていきましょう。

 まず腱鞘炎とは、その名のとおり、腱鞘(けんしょう)という組織に炎症が起きた状態のことです。 
 
 腱と腱鞘が紛らわしく混同されがちなのでまずこの点を整理していきます。

1.腱とは

 ”腱”というのは筋肉が骨につく前の硬くなった箇所のことです。

 筋肉は縮んだり緩んだりできる”筋腹(きんぷく)”と、その両端にある硬い紐状の”腱”によって構成されています。

 腱自体は伸び縮みは出来ない硬い組織になっていて、筋腹の力を骨に伝える役割を担っています。

2.腱鞘とは?

 一方で腱鞘とは、腱の一部分を覆う鞘(さや)状の組織のことです。

 手首や指など、たくさんの腱が集まる部分に多くみられ、腱を包み込む構造をしています。

 これは近くの腱が擦れて傷むことを防ぐ役割をしています。

⑵腱鞘炎の原因

 この腱鞘に炎症が起きた状態が腱鞘炎で、腱と腱鞘の間に摩擦が起きたり、共通の腱鞘を通る腱同士の間で摩擦が起きたりすることで発症します。

 摩擦で生じるので熱っぽくなったり、動かした際に強い痛みを生じたりします。

 よく手を使う人に発症しやすいですが、手を使う人すべてに発症する訳ではありません。

 この違いは手の使い方にあります。手に負担のかかる状態で使い過ぎた時に発症します。

ホルモンの作用が原因で発症することもありますが、使い方が悪いケースが大半だと思います。

 具体的には前腕部と親指が一直線になっている状態で、手を使っていると腱鞘炎になる確率が高くなります。

 この場合、特に手首の親指側あたりに痛みが出やすくなります。

 一方で、前腕部と中指が一直線に並んだ状態で手を使っている場合は、腱鞘への負担も少なく、腱鞘炎になりにくいと言えます。

 ですので、腱鞘炎に悩まされている方は、まず腕と指の位置関係に気をつけてみてください。

 治療するセラピストの方は、手の平が小指側に傾いた状態を調整すると効果が期待できると思います。

腰痛の意外な原因


腰痛に悩まされている方は本当に多いですね。

ヘルニアや脊柱管狭窄症などをはじめとして、腰が痛くなる原因は様々ですが、実際に原因が特定できる腰痛は全体の15%程度にすぎないと言われています。

要するに腰痛の多くは実は原因不明なのです。

この原因不明の腰痛を研究していくと、痛みを引き起こす原因としてもっとも多いのが『恐怖心』だということが最近わかってきました。

腰痛になっても基本的にはしばらくしたら腰周りの筋肉や関節は良くなります。

筋肉や関節の損傷であれば長くとも3ヶ月もあれば普通は回復します。

本来であればそれとともに痛みもなくなるはずなのですが、「動いたらまた痛くなるんじゃないか?」という恐怖心が頑固に残ってしまうと、実際には腰の周りには異常がないにも関わらず、痛みだけが残ってしまう事実が確認されています。

痛みへの恐怖心が長期間続くと、これがストレスになり、痛みをコントロールする脳の一部分を衰えさせることがわかっています。

こうなると痛みを感知する神経の興奮を抑えることができなくなり、実際には問題がないにも関わらず痛みを引き起こしてしまいます。

”腰が傷んでいる”と脳が勘違いしてしまう訳です。

このケースの腰痛は”心配しすぎ”が原因ですので、”自分が思っているより動けること”を実際に自分自身で確認することが一番の治療法です。

実際に動いてみて、動ける事実を体感してみると恐怖心が和らぎ徐々に動ける範囲も広がってきます。

そのためには安静は禁物です(以前は腰痛はまず安静にするべきだと考えられていましたが、現在では長期間の安静は症状を悪化させるので二日間以上の安静は禁止するべきだと考えられています)。

まず体をできる範囲で動かす様にします。


ある程度動ける様になってきたら腰に手を当てて3秒間ほど反らしてみてください(写真参照)
(※この動きは”これだけ体操”という名前で広く紹介されていますので、詳しく知りたい方は検索してみてください)


具体的には”腰を反らせる”というより”骨盤を前に送り出す”イメージの方が良いかもしれません。

腰痛が怖いと腰をかばって前かがみで動く様になってしまいます。

腰を反る動きが怖いから無意識にそうした姿勢をとってしまう訳です。

でも実際には腰を反らしても大丈夫だということを体に確認させると自信が戻ってきて、少しずつ反らせる範囲が広がってきます(※腰を反らした時に脚に痺れがでる場合、腰に鋭い痛みが走る場合、反らした腰を元に戻しても10秒以上痛みが続く場合は別に原因がある可能性が高いのでむやみに腰を反らしてはいけません。その際はしっかりと医療機関で診察を受けてください)。

こうして”実際に動ける”という自信を取り戻すにつれて、腰痛も軽減してきます。

もちろん医療機関で処置を受けるべきケースの腰痛もありますが、こうした”恐怖心による腰痛”というパターンもたくさんあります。

”病院に行くほどでもないけど腰が慢性的に気になる”という方も腰を反らしてみる動きを是非試してみてください。


椎間板ヘルニアについて


今回は”椎間板ヘルニア“について簡単に説明していきます。参考にして下さい。

腰や首が痛くてヘルニアだと言われた経験のある方、もしくは身近でそういった話を耳にされたことがある方は少なくないと思います。

僕が患者さんと話している印象だと”ヘルニア”と言われるとかなり重症で治すには手術しないといけないと思われてる節がありますが、必ずしもそうではありません。

ヘルニアの病態や症状を順に確認していきましょう。

ヘルニアとは?

”ヘルニア”という言葉自体は”飛び出す”という意味です。なので実際には腰や首だけでなくて鼠径部におきたり(鼠径ヘルニア=脱腸)、胃の入り口で起きたりするヘルニアもあります。

ヘルニアの中でも首や腰のヘルニアは正確には”椎間板ヘルニア”と呼ばれ、椎間板の中身が飛び出してしまった状態を意味します。

椎間板の構造


“椎間板”は平べったい”饅頭”のような構造をしています。”皮”の部分が分厚く、中の”あんこ”は少ししか入っていない状態をイメージしてください。

この”椎間板”に負荷がかかり続けると、”あんこ”の部分が押し出されそうになります。特に背骨の前側が上から圧迫されると、中の”あんこ”が後ろに押し出されるように力がかかるので、こうした状態が続くと、やがて”皮”を突き破って”あんこ”が外に飛び出してしまいます。これが”椎間板ヘルニア”の病態です。

特に前かがみの”ねこ背”の姿勢をとり続けると、背骨の前の方にストレスがかかるため”椎間板ヘルニア”の発症リスクが高まります。

もう少し詳しい話はこちらをご覧ください。

ヘルニアの症状

こうして飛び出してきた”あんこ”が神経に触れるのがヘルニアの厄介なところです。

“あんこ”が飛び出す先は神経の通り道になっています。

なので首にヘルニアを発症した場合はもちろん首も痛いのですが、飛び出してきた”あんこ”に圧迫された神経のつながる先である腕や手、指に痛みやしびれが出たり、力が入らなくなったりといった神経の働きに異常が見られるのがヘルニアの特徴です。

腰のヘルニアの場合は腰痛に加えて脚に同様の症状がみられます。

ヘルニアの経過


こうした状態ですので、飛び出してしまった”あんこ”をどうにかしないといけません。

そこで手術をしてこれを取り除くというのがよくある治療ですが、実はそうしなくてもほとんどの場合飛び出して来た”あんこ”は自然になくなります。

というのも白血球が食べてくれるからです。

飛び出した場所や程度によりますが、基本的には白血球が食べてくれるので時間の経過と共にヘルニアは消失します。

その間に耐え難い痛みや日常生活への不具合が起こる場合は手術を選択するのもありだと思います。

体のバランスを整えることで、自然に治癒する速度も速くなりますので、筋肉や骨格にアプローチを施す手技療法も効果的です。

ただ、”あんこ”が飛び出してしまった”饅頭”は元に戻らないので、”椎間板”の高さが低くなったり、衝撃を吸収する機能が弱まったりすることで疲れやすくはなってしまいます。

具体的な症状としては、肩こりや腰痛が発症しやすくなるので、先々うまく付き合って今ないといけません。

適切に体のバランスを整える施術を受けたり、姿勢の維持に必要な筋力を強化する事で対処していけますので、詳しくはご相談ください。




外反母趾へのアプローチ方法

今回はよくある疾患へのアプローチ方法として”外反母趾”を取り上げてみたいと思います。

外反母趾は足の親指が傾いてしまう症状です。

訴えは傾きが気になるというケースから痛みに悩まされるケースまでそれぞれです。

総じて女性に多い印象ですが、ランニングを専門にしている人にもよくみられます。

原因の一つとしては先の細い靴を履いていることが挙げられます。

ご承知の通り足先が締め付けられるからです。

ですが原因はそれだけではなく、つま先が外側を向いていることも発症しやすい要因になります。

つま先を外に向けた状態で地面を蹴ると外反母趾を発症しやすい方向に親指の付け根の関節が動かされてしまいます。

この動きの繰り返しで外反母趾がきつくなっていってしまいます。

なのでこの場合、実際に痛みの出てる足の親指だけでなく、お尻の筋肉を緩めることも必要になってきます。

実はつま先が内を向いたり、外を向いたりする動きはお尻(股関節)がコントロールしています。

例えば座ったままお尻に力を入れてもらうと、つま先が自然に外側を向くのがわかると思います。

ですから、お尻の筋肉が慢性的に硬いと無意識につま先が外側を向いてしまっているのです。

この状態で歩いたり走ったりすると親指の付け根の関節にストレスがかかって、外反母趾を発症しやすくなってしまいます。その上で先の細い靴を履いているとより一層発症しやすくなってしまいます。

ですから外反母趾を緩和させるにはまずお尻を柔らかくすることが必要になります。

外反母趾でお悩みの方はストレッチなどでお尻を柔らかくするようにしてみて下さい。

このように身体は至るところで連動して動くので、結果と原因を分けて考えていく必要があります。

原因を置いといて結果にだけアプローチを施してもなかなか治りにくく、治っても再発することが多くなるのは外反母趾に限らずあらゆる症状に言えることだと思います。

疾患の原因がどこにあるのかを正確に見抜くために施術者はしっかりと学び続けないといけませんね。

片頭痛と緊張性頭痛の違い① 発症のメカニズム

今回は頭痛に関するお話しをしたいと思います。一言に頭痛と言っても色々な種類があります。
細かく分けると367種類にも分かれるそうですが、この中から代表的な片頭痛と緊張性頭痛という二つについてお話しをしたいと思います。

診療してますとよく「片頭痛です」という患者さんがいらっしゃいます。でも診てみると片頭痛ではない、というパターンがよくあります。

頭が痛いと「片頭痛かな?」と思う方が多いですが、必ずしもそうではありません。片頭痛という言葉は有名なんですが、何をもって片頭痛と言うのか正確に理解されていない印象があります。特に頭の片側が痛い場合に片頭痛だと思われがちなんですが、そういう訳ではありません。まず片頭痛とはどういう症状なのか?というところから確認していきましょう。

【片頭痛とは】
片頭痛の典型的な症状は、ズキンズキンと脈打つ痛みが数時間から数日間続くということです。
それも毎日ではなく、週に数回、もしくは月に数回といった頻度で起こります。痛みがない時は全く何ともありません。
で、痛みのでる箇所は様々で、片側が痛む場合もあるし、両側が痛む場合もあります。

それと頭痛が出てる期間は基本的に動くと痛みが増強することも特徴です。歩いたりとか何気ない日常動作をするのでさえ痛みがひどくなることが多いです。あとは入浴。入浴したら痛みがきつくなります。

その他にも人によっては吐き気、嘔吐、光や音に過敏になるなど症状の出方はそれぞれです。

これらが片頭痛の症状です。これらの発症するメカニズムは分かっていない要素も多いようですが、はっきりしているのは頭の血流が良くなると症状がきつくなるということです。なので運動したり、お風呂に入ったりといった血流が良くなるようなことをすると頭痛がきつくなるのが片頭痛の大きな特徴です。

【緊張性頭痛とは】
一方で良くある頭痛のもう一つ、緊張性頭痛と言われるタイプの頭痛はまた違った症状の出方をします。
もちろん頭が痛いということは同じなのですが、その原因が全く違います。

緊張性頭痛の場合は毎日のように頭の重さや圧迫感が続きます。同時に片や首が凝るのが大きな特徴です。
凝りがきつくなると頭痛もきつくなります。で、片頭痛とは逆に運動したり入浴したりで血流が良くなると頭痛も改善します。これが緊張性頭痛の特徴です。

整理すると片頭痛は不定期に痛んで、運動や入浴で血流が良くなると症状がきつくなります。
一方の緊張性頭痛は慢性的に頭の圧迫感があって、肩や首のコリがきつくなるのに比例して痛みもきつくなります。
運動や入浴で血流を良くすることで症状が和らぎます。

血流が良くなると悪化するのが片頭痛で、血流が良くなると改善するのが緊張性頭痛です。
この二つは真逆とも言えるものですので、処置する際もこの点を考慮しないといけません。
実際にはこれら二つの混合型もあって明確に区別するのはややこしい場合もあるのですが、まずはこの基本的な発症メカニズムを理解してください。

頭痛について

今回は最近の講義で質問の多かった頭痛の種類について簡単に紹介していきます。

「偏頭痛持ちです」と仰られる方が多いですが、実際に偏頭痛の方はそこまで多くありません。
セラピストでも混乱してる人が多いように感じますので、一度頭痛の種類を整理しておきましょう。
血管障害などの病的なものは別として、慢性頭痛は大きく分けて3種類に分けられます。

1.緊張性頭痛
これが最も多いです。頸部、頭部が硬くなることで頭に行く神経、血管を圧迫され流れが阻害されてしまう結果、頭痛が現れます。デスクワークやスマホの使いすぎ等、長時間頸部を緊張させることで発症します。このケースは肩、首、頭部を緩
め、血流を良くすることで改善することが多いです。

2.偏頭痛(片頭痛)
偏頭痛とは血管が広がり近くに走る神経を圧迫してしまうことで生じる頭痛です。頭皮と頭蓋骨の間を走る血管や、脳の血管が広がることで周囲の神経が圧迫されるためと考えられています。緊張状態から解放されリラックスした際に生じることも多いです。この場合は緊張性頭痛と反対で、血流が良くなった時に生じますので、即効性のある対処法としては冷やしたりカフェインを適量摂取したりして血管を収縮させることが効果的です。緊張性頭痛のようにマッサージや入浴をすると症状が悪化することもあるので注意してください。手技でアプローチするにはいくつかポイントを抑えておく必要があります。

3.群発性頭痛
遭遇する機会は少ないと思いますが、これは数週間から数ヶ月の期間に集中して、ほぼ毎日同じ時間帯に生じる激しい頭痛です。原因ははっきりわかっていません。気圧の変化や血管拡張により生じると言われています。症状が激しい場合は薬を服用してコントロールした方が良いでしょう。治療の考え方としては偏頭痛と同じものになります。

臨床で一番よく遭遇するのは緊張性頭痛、次いで偏頭痛だと思います。
上記の他にも2次性頭痛と呼ばれる他の疾患が原因で生じる頭痛もありますので注意してください。