距腿関節の背屈制限

今回は”距腿関節の背屈制限”について取り上げて解説します。要するに”足首を反らしにくい理由”ですね。特にバレエなどに関わっていらっしゃる方は日常的なテーマだと思います。

足関節で背屈制限が生じる理由は大きく分けて4つあります。
1.脛腓関節の可動性低下
2.距骨の後方滑走障害
3.底屈筋の短縮
4.屈筋支帯の短縮
の四つです。これらを順に解説していきます。

1.脛腓関節の可動域制限
脛骨と腓骨は二箇所で連結があります。上脛腓関節と下脛腓関節です。
この二つの関節では腓骨が大きく動きます。具体的な腓骨の動きは足首を背屈した際に外旋と挙上、底屈した際に内旋と下制でした。なので腓骨の挙上と外旋の動きが出ていない場合、足関節の背屈制限が生じます。

2.距骨の後方滑走障害
背屈時には距骨は後方に滑りつつ上方に回旋します。上記の腓骨の動きは距骨が後方滑走するためのスペースを確保するためのものでもありますが、せっかく腓骨が動いてスペースを作っても距骨が後ろにしっかり滑り込まないと背屈できません。捻挫などの後遺症で距骨が前方変位したまま後ろに滑り込めなくなっている状態の時に背屈制限が見られます。

3.底屈筋の短縮
底屈させる筋肉はいくつかありますが、まず代表的なのは腓腹筋とヒラメ筋です。この二つの筋肉は足関節の底屈のほとのどの役割を担うので、これらが短縮していると背屈しにくくなってしまいます。また長母趾屈筋の短縮も腱の走行が距骨の後方滑走を妨げてしまうので背屈制限を引き起こします。

4.屈筋支帯の短縮
屈筋支帯というのは内果と踵骨を繋ぐ膜状の組織です。この下を長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋、神経や動脈が通過しています(ここを足根管と呼びます)。この膜の部分が短縮すると足首を背屈した時に緊張が高まり、可動域制限を生じます。

上記1.2に関しては骨を動かすモビリゼーションのテクニックなどを用いて、3.4に関しては筋筋膜のリリースや距骨下関節調整のテクニックなどで処置をしていくのが一般的です。参考にしてください。

呼吸について④

【深い呼吸の練習法】

最後にしっかりと呼吸をする練習をしてみましょう。

胸式呼吸も腹式呼吸も同時に行います。深呼吸してもらいますが、まずは腹式を意識してみます。

おへその下に手を当てて、息を吸った時にそこがしっかりと膨らむように深呼吸してみてください。

では続いて胸式です。実は腹式よりも胸式の方が難しいかもしれません。胸いっぱいに息をいれるつもりで深呼吸してみてください。こうしたらもちろんある程度は息が入りますが、大概の人はもっと入ります。その為にはまず肺の位置を知る必要があります。

肺は肋骨で囲まれたところの中ですが、かなり大きくて肋骨の先はすぐに肺だとイメージして下さい。

なのでしっかり息を吸うと胸の前も、脇腹も背中も膨らみます。鎖骨のあたりも肺なのでここも膨らみます。胸の前や脇腹や鎖骨周辺に手を当てて、触っているところに空気を入れるつもりで深呼吸してみてください。

何度かしているうちに息を吸った時に触っている場所が膨らむようになります。

正しい肺の位置を知りそこに意識を向けるだけでも息が深く出来るようになりますので、時折試してみてください。

呼吸について③

【呼吸が浅くなるとどうなるか?】

現代人は呼吸が浅くなりがちです。

精神的、身体的なストレスが原因だと思います。浅い呼吸が続くと体の不調の原因にもなります。呼吸が浅くなると生命活動の維持に不可欠な酸素が欠乏してしまうので、漠然とした不安感が湧いてきます。

体の中でも実際に酸素が不足して、内臓や筋肉の働きが悪くなります。特に筋肉への酸素の供給は内臓よりも後回しにされる傾向にあるので、硬くなって冷えてしまいます。こうなると体で十分に熱が作れなくなり、免疫力も低下します。体に酸素が不足すると怪我や病気になりやすい状態になってしまいます。

逆に酸素がしっかりと体じゅうに行き渡ると安心感も生まれ、内臓や筋肉もしっかりと働いてくれます。

漠然とした不具合を抱えていらっしゃる方はひょっとしたら酸素が不足しているのかもしれません。

ぜひ呼吸に意識を向けてみてください。

呼吸について②

【胸式呼吸と腹式呼吸】

呼吸にはふた通りの方法があります。

胸式呼吸と腹式呼吸です。

 

この二つの違いは何かというと

胸式呼吸とは肋骨の動きを主体とする呼吸法で肋骨についている筋肉が働きます。一方、腹式呼吸とは横隔膜の動きを主体とする呼吸法です。

 

よく腹式呼吸の方が良いという認識をされがちですが、実際にはどちらもできないといけません。

別に胸式が悪いわけではないです。ただ腹式呼吸は忘れられがちになりますし、こちらの方が深く呼吸ができるので特別に意識した方が良いということで耳にする機会が多いのではないかな、と思います。

呼吸に意識を向けるには深呼吸をするのが早いですね。

実は呼吸は人間の動作でも特殊なもので、意識的にも無意識にも行うことができます。普段は呼吸のことを考えていないと思いますが、そうした状況でも自律神経が働いて勝手に呼吸をしてくれています。

自律神経と呼吸は密接に関わっていますので呼吸をコントロールすると自律神経にも少なからず影響を与えることができます。

なので自律神経の不具合を呼吸によって調整することもある程度可能です。

呼吸について①

【呼吸の仕組み】

今回は呼吸のお話をしたいと思います。

呼吸が生命活動の維持に不可欠なのはご承知の通りですが、皆さんどの程度意識できていますでしょうか?
普段は無意識に呼吸しているので、そんなに気にしていないのではないかな、と思いますが。

呼吸に意識を向けるのは気持ちを落ち着かせるために深呼吸したりする時くらいでしょうかね?
もしくはヨガとかストレッチとかしてるときとかでしょうか。

まずは人がどうやって呼吸しているのか?という基本的なところから確認していきましょう。

呼吸とは空気を吸って吐くことだと思っといてください。厳密には色々ありますがここではその理解で結構です。

息を吸うとどこに空気が入るか分かりますよね?肺ですね。息を吸うと肺に空気が入ります。そしてその中から酸素を体内に取り込んで、体内にある二酸化炭素を体の外に吐き出します。これが呼吸ですね。この時に肺はどうやって動くか?ということですが、ご存知でしょうか?

実は肺はただの袋でそれ自身では動くことはできません。

肺の周りの筋肉が動くことで、それに連動して肺も動いています。

肺は筋肉ではないのでそれ自身では動くことはできません。まずこの点を確認してください。

なのでしっかりと呼吸をするには肺の周りにある筋肉を動かさないといけません。

では具体的にどこの筋肉が動いているのでしょうか?次回はこの点を見ていきましょう。

2019/2/3 自分の体を知るWS ~呼吸を整える~ at 神戸


普段、私たちが無意識に行っている「呼吸」。

それは、私たちのカラダと心、生き方そのものへも、
驚くほど色んな形で影響しています。

しかしながら日常でそこに意識を向けられることはほとんどありません。
日々の疲労やストレスで知らず知らずのうちに、この大切な”呼吸”が浅くなってしまっている人が大半です。

こうした状態が続くと何らかの形で体に不調が生じ、病気や怪我を引き起こす原因にもなります。

その逆にしっかりとした呼吸ができるようになると、酸素が体の隅々に十分行き渡り、体内が活性化することで心身ともにコンディションが改善します。

今回のワークショップでは呼吸のメカニズムを理解し、骨や筋肉をご自分の手で実際触ってもらいながら、人の体に本来備わった呼吸機能を取り戻すためのアプローチ方法を学びます。ペアワーク、セルフワークともに行いますので、一般の方にもセラピストの方にも受講して頂ける内容の講座です。

内容(予定)
1.呼吸とは?
2.呼吸の生理学
3.肺はどこにある?
4.自律神経と呼吸
5.腹式呼吸と胸式呼吸
6.自然な呼吸を妨げる要因
7.本来の呼吸を取り戻すワーク(実技)
※セルフワークとペアワーク

日時 2019/2/3(日)13:30〜15:00
定員 4名
料金 8,000円
場所 Hal Cure
神戸市中央区二宮町4-23-5ニュージョイハイツ102

※お申し込みはatme.paris@gmailにお願いします
その際、お名前・メールアドレス・お電話番号・ご職業をお知らせください

2019/1/5 自分の体を知るWS ~首の不調を整える~ at 神戸

自分の体を知るWS ~首の不調を整える~

パソコンやスマホなどの画面を長時間見る機会の多い現代人は誰もが少なからず首に負担がかかっています。首の不具合を放置していると目の疲れ、頭痛などつらい症状の原因になります。

首回りの緊張が続いた状態を”肩こり”と呼びますが、実際には凝っているのは肩よりも首です。

今回のワークショップでは首の構造と不具合が生じるメカニズムを理解し、骨や筋肉をご自分の手で実際触ってもらいながら、首が本来の動きを取り戻すためのセルフワーク、ペアワークを学びます。一般の方にもセラピストの方にも受講して頂ける内容の講座です。

定員 3名
料金 5,000円
場所 Hal Cure
神戸市中央区二宮町4-23-5ニュージョイハイツ102

※お申し込みはメッセージよりお願いします
その際、お名前・メールアドレス・お電話番号・ご職業を
お知らせください。

講師 古田大祐(フルタダイスケ)

アンサンブル手技療法アカデミー代表
ワタナベ総合手技療法研究所所長
解剖学講師
柔道整復師

柔道整復術、カイロプラクティック、フランスオステオパシー等、日本と欧州で様々な治療法を学び臨床を重ねる。

アンサンブル手技療法アカデミー代表として日本、フランス、イギリス、ドイツ、シンガポールなど世界各地の受講生に解剖生理学の講義や臨床実技の指導を行う。

日本とベルギーの治療家ライセンスを保有。

2019/1/26 【セラピスト向け講座】 骨盤のゆがみの見方 at 東京

カイロプラクティックの理論をベースとした、すぐに使える腸骨と仙骨のゆがみの見方、調整方法を学習するセラピスト向けの講座です。

内容
・骨盤の解剖学
・正確な触診の方法
・骨盤のゆがみ方
・それぞれのゆがみに特徴的な症状
・矯正実技
・質疑応答

日時:2019年1月26日(土)10:00〜11:30

場所:東京都港区東麻生1-14-13
※赤羽橋駅から徒歩2分

価格:9,800円 (アンサンブル手技療法アカデミー受講生の方は7,800円)

持ち物:筆記用具。実技を行いますので体に触れ易いように薄手で動き易い服装をご用意ください。

キャンセルについて
予約確定後のキャンセルは、以下のキャンセルポリシーが適用されます。
キャンセルの際には、ご注意ください。

キャンセルポリシー
7日前まで:無料
7日前〜4日前:50%
3日前〜前日:75%
当日:100%

 

 

 

講師 古田大祐(フルタダイスケ)

アンサンブル手技療法アカデミー代表
ワタナベ総合手技療法研究所所長
解剖学講師
柔道整復師

柔道整復術、カイロプラクティック、フランスオステオパシー等、日本と欧州で様々な治療法を学び臨床を重ねる。

アンサンブル手技療法アカデミー代表として日本、フランス、イギリス、ドイツ、シンガポールなど世界各地の受講生に解剖生理学の講義や臨床実技の指導を行う。

日本とベルギーの治療家ライセンスを保有。

頭痛について

今回は最近の講義で質問の多かった頭痛の種類について簡単に紹介していきます。

「偏頭痛持ちです」と仰られる方が多いですが、実際に偏頭痛の方はそこまで多くありません。
セラピストでも混乱してる人が多いように感じますので、一度頭痛の種類を整理しておきましょう。
血管障害などの病的なものは別として、慢性頭痛は大きく分けて3種類に分けられます。

1.緊張性頭痛
これが最も多いです。頸部、頭部が硬くなることで頭に行く神経、血管を圧迫され流れが阻害されてしまう結果、頭痛が現れます。デスクワークやスマホの使いすぎ等、長時間頸部を緊張させることで発症します。このケースは肩、首、頭部を緩
め、血流を良くすることで改善することが多いです。

2.偏頭痛(片頭痛)
偏頭痛とは血管が広がり近くに走る神経を圧迫してしまうことで生じる頭痛です。頭皮と頭蓋骨の間を走る血管や、脳の血管が広がることで周囲の神経が圧迫されるためと考えられています。緊張状態から解放されリラックスした際に生じることも多いです。この場合は緊張性頭痛と反対で、血流が良くなった時に生じますので、即効性のある対処法としては冷やしたりカフェインを適量摂取したりして血管を収縮させることが効果的です。緊張性頭痛のようにマッサージや入浴をすると症状が悪化することもあるので注意してください。手技でアプローチするにはいくつかポイントを抑えておく必要があります。

3.群発性頭痛
遭遇する機会は少ないと思いますが、これは数週間から数ヶ月の期間に集中して、ほぼ毎日同じ時間帯に生じる激しい頭痛です。原因ははっきりわかっていません。気圧の変化や血管拡張により生じると言われています。症状が激しい場合は薬を服用してコントロールした方が良いでしょう。治療の考え方としては偏頭痛と同じものになります。

臨床で一番よく遭遇するのは緊張性頭痛、次いで偏頭痛だと思います。
上記の他にも2次性頭痛と呼ばれる他の疾患が原因で生じる頭痛もありますので注意してください。

顎のゆがみについて

ご存知のとおり”あご”は口を動かす為に必要な部位です。話をしたり物を噛んだりする時には必ず動きますよね。

パッと見て動きが目に付くのは下あごの部分です。

ここには下顎骨(かがくこつ)という骨があり、この骨は耳の前辺りから頭蓋骨にぶら下がっています。このぶら下がってる場所にあごを動かす関節があって、この部分を顎関節(がくかんせつ)と呼びます。耳に穴の真ん前ですね。ここに指をあてながら口を開けたり閉じたりしたら関節の動きがわかると思います。

皆さんも顎関節症(がくかんせつしょう)という疾患名を聞いた事があるかもしれませんが、この部分が痛んだり音がするようになったりする症状の事をそう呼んでいます。

この顎関節ですが、頭蓋骨からぶら下がってるだけの不安定な構造になっているので、周囲の筋肉が硬くなったりすると、すぐにそちら側に引っ張られてしまいます。

あごの近くにある筋肉といえば咀嚼筋(そしゃくきん)と呼ばれる物を噛む筋肉です。具体的には咬筋(こうきん)というエラの部位にある筋肉や側頭筋(そくとうきん)という、こめかみの部分にある筋肉が咀嚼筋です。

これらは左右同じようについてますが、よく使う方が強く硬くなる傾向にあります。例えば虫歯などの理由で片側でばかり物を噛んでいると、使っている側の筋肉が段々硬くなってきて左右差が生じるようになります。

このような状態になると下顎が硬くなった筋肉の方に引っ張られて左右いずれかにゆがんでしまいます。パッと見て上唇と下唇があっていない人、笑うと片側だけ口角が顕著に上に上がる人、片側のエラが張って見える人などは下顎がゆがんでいる可能性があります。

下顎が横にズレてしまうと、頭が傾いてしまうので、頭部の重みが左右均等にかからなくなってしまい、結果的に全身のゆがみにも繋がってしまいます。

下顎のズレは他にも顔に左右差を生じたり、体液の流れを妨げが顔のむくみを引き起こしたり、顎関節症の原因にもなります。

顎は些細なゆがみでも至る所に影響を及ぼす可能性がある部位ですので、ゆがみに気がついたら修正しておいた方が良いと思います。

具体的には前述の咬筋、側頭筋、そして顎の下から喉の方に位置する舌骨上筋群、舌骨下筋群といった筋肉を緩めていきます。講義で使用している”ボディーナビゲーション”にもこれらの筋肉が載っていますので、場所を確認してみてください。詳しいアプローチ方法などはまた実技などでお伝えしていければと考えています。以上、参考にしてみてください。