成長痛って何?

①骨の伸びるメカニズム


成長期の子供が足の痛みを訴えることがあります。

これは骨が長くなることによって生じていることが多く、”成長痛”と呼ばれます。今回はこの”成長痛”の発症するメカニズムを紹介します。


子供の骨の端の方には”成長線”と呼ばれる箇所があります。

この部分は軟骨で出来ているのですが、成長していくにつれてこの軟骨が骨に変わっていくことで骨が長くなります。

実際のところ個人差が大きいですが、一般的に男の子で18歳、女の子で15歳くらいまで新しい骨ができると言われています。

ちなみに成長期にレントゲンを撮るとこの部分は写らないので、骨の途中に隙間があるように見えます。

なのでこの隙間がある間はまだ背が伸び続けていると考えられます。逆にこの隙間がなくなると骨の成長も終了したと言えます。

②成長痛の起こる仕組み


この骨の成長があまりにも急激に進んだ場合、そばにある筋肉の成長が骨の伸びる速度に追いついていけなくなる事があります。

こうなると筋肉は長くなった骨によって無理矢理引き延ばされることになってしまいます。

その結果、筋肉が骨に付着している箇所が引っ張られてしまいます。ここに痛みが起こるのが成長痛です。

③よくある成長痛

もっともよくあるのが膝のお皿の下の出っ張りに痛みを生じるケースです。

これは”オスグッド病”という名前で知られています。

太ももの前にある大腿四頭筋という大きな筋肉が付着しているのがお皿の下の出っ張りです。

太ももの骨が急に伸びた場合、成長速度についていけない大腿四頭筋が引き延ばされてしまうので、筋肉が骨についているところが引っ張られて痛みを生じてしまいます。

その次に多いのが踵の後ろ側の痛みです。

ここにはアキレス腱を介してふくらはぎの筋肉がついています。

ふくらはぎの骨が急激に成長した場合、筋肉が引っ張られてしまい、付着している踵の後ろ側に痛みを生じる事があります。

④成長痛の処置方法

このようにして痛みが出てくる訳ですが、筋肉が成長して骨の長さに追いついてくると痛みは和らいできます。

それまでは基本的には安静にするのが一番良いです。

痛む箇所をアイシングするのも症状を和らげる効果があります。

どうしてもスポーツを継続しなければいけない場合はテーピングや専用のサポーターなどで対処することもあります。詳しくは御相談下さい。